【主に待機時間が】地獄の重度訪問介護統合過程研修【三日目】
6月の9、10と連続で研修があったが、研修3日目はその4日後の6月14日だった。
自分は夜勤のバイトを希望していたので、実地研修は夜の9時半から1時までの3時間半。
実際に担当する利用者さんのお宅へお邪魔して、先輩の同行の元、研修がスタートする。
受け持つのは下半身不随かつ手が少し不自由な人だった。幸い発語はできる為、意思疎通には困らないのは助かった。
自分はなかなか人の機微に疎いので、意思疎通が難しかったらどうしようかとハラハラしていた。
そんなこんなで自己紹介を済まし、準備の為手洗いをする。
もう夜の9時を過ぎているので、やるのは就寝介助だ。
まずは顔を拭いて、その次に歯磨きをする。
歯磨きが終わったらひげ剃り。
見てるだけなのだが、やることやることにメモを取りながら復習できるのようにする。
歯磨きの仕方もひげ剃りの仕方も施設や病院の様にこっちの自由ではない。利用者さんの自由なのだ。
利用者さんの希望に添うやり方で1つ1つ丁寧に仕上げていく。
見ているだけでもやはり違う。
集団で暮らす人達のやり方は、やっぱり流れ作業の如く時間に追われているようなやり方。
一方在宅で暮らす人は時間に追われることはないので、ゆっくりとその人に合った介助やケアができる。
自分が求めていた介護とはこういったものなのかもしれない。
もちろん施設や病院が悪いというわけではない。
その2つに所属していた時にだって楽しかった。
優しい人達に囲まれて、助けてもらって、気を遣ってもらって…。
一緒に仕事をして、一緒に野球をして…。
退職する時もみんな応援してくれた。
良いところは沢山ある。
ただただ自分がやりたかった介護という仕事は、この様な仕事なのかもしれないということだ。
それを見つける為に施設も病院も辞めたのだから。
1時間半が過ぎて、就寝介助が終わり、利用者さんは眠りについた。
隣の部屋が待機部屋となっており、何かある場合はナースコールの如くブザーが鳴る。
終わった時点で11時。
……ん?後2時間何するの?
少し説明等で話をしたが、利用者さんが寝ているので長く喋ってはいられない。
一通り説明が終わったら、後は待機。
……後2時間座ってるだけなの?
……あぁ、そう…。
ソファに座ってもいいと言われたが、先輩が畳に座っているので、遠慮して畳に座る。
とりあえず何もすることがないので、スマホを弄る。
弄る 目を閉じる 弄る 目を閉じる 弄る
そんなことを繰り返していたら、とうとう腰に蓄積ダメージが貯まってきた。
腰痛い…。
残り1時間というところでギブアップしてソファに座らせてもらった。
それでも痛いが…。
まさか待機時間で腰にダメージを受けて地獄を見ることになるとは思いもよらず、なんとか研修は終了。
これにて、重度訪問介護統合過程の研修は終わり。
後日修了証明書が郵送されるとのこと。
前も言った気がするが、終わってみればなんてことない研修だったが、牙を向いたのは己の身体だった。
腰が痛いのはなんとかしないといけない。
まだ自分は31歳である。
こんなことではジジイになった時には腰が破裂しているかもしれない。
そんなことをを思いながら帰路へつく。
3日間の研修は腰に始まり腰に終わったのだった…。